1999年に発表したMariah Carey (マライア・キャリー)の7枚目のアルバム「Rainbow」は、Snoop Dogg、Jam & Lewis、Jermaine Dupri、Missy Elliott、Master PといったラッパーやR&Bプロデューサーと共同制作され、前作「Butterfly」(1997)よりもアーバンな作品に仕上がりました。
このアルバムからは5枚のシングルがリリースされ、セカンドシングル「Thank God I Found You」は全米チャート1位を獲得、アルバムも前作に続いて全米チャート1位を獲得しており、アメリカ国内だけで300万枚、全世界で800万枚を超えるセールスを記録しています。
今回は、このアルバムからJay-Z (ジェイ・Z)をフィーチャーしたリードシングル「Heartbreaker」(1999)をピックアップ。
Mariah Careyのキャリアにおいて、リードシングルにラッパーがフィーチャーされるのは初のこととなりましたが、ここではこの曲の元ネタについて解説します。
Mariah Carey feat. JAY-Z – Heartbreaker (1999)
楽曲情報
レーベル
Columbia Records
プロデューサー
DJ Clue
Mariah Carey
元ネタ・サンプリング
Stacy Lattisaw – Attack of the Name Game (1982)
“Heartbreaker” 元ネタ・サンプリング情報
Stacy Lattisaw – Attack of the Name Game (1982)
元ネタになったのは、ワシントンD.C.出身のシンガーStacy Lattisaw (ステーシー・ラティソー)の「Attack of the Name Game」(1982)です。
この曲は、彼女が15歳の時にリリースした4枚目のアルバム「Sneakin’ Out」(1982)に収録されており、アルバムはR&Bチャート11位を記録。
「Heartbreaker」でサンプリングしたDJ Clueは、この曲が好きでよく聴いていたようで、Mariah Careyに聴かせたところ、気に入ってもらえたことを語っています。
「Heartbreaker」は俺らが最初に作った曲で、共通の友人がいて、いつも何か一緒にやろうと言っていたんだ。 俺はStacy Lattisawの「Attack of the Name Game」が大好きで、若い頃よく聴いていたんだ。 それでサンプリングして、アイデアをまとめたんだ。 それをMariahに聴かせたら、彼女はとても気に入った。 「Heartbreaker」はそこから生まれたんだ。
MVの制作費は当時最高額だったが、JAY-Zは出演を禁じられていた?
「Heartbreaker」はMariah Careyにとって14曲目、Jay-Zは初の首位獲得となりましたが、Mariah Careyは以前からJay-Zの才能に魅了されていることを語っています。
私たちはニューヨークのミスター・チャウズ(レストラン)にいて、世界中の誰もが彼が誰であるかを知る前のことね。 でも、ヒップホップを愛する私たちは彼が誰なのか知っていて、彼の才能、出身地、ストーリー、すべてに畏敬の念を抱いていたの。 その夜に話をして、最終的にコラボレーションすることになったわ。
またMVは、当時で最も高額な250万ドル以上を費やしましたが、その頃のJay-Zは、映画「Blue Streak」のサウンドトラックに楽曲を提供しており、コロンビアピクチャーズと結んだ契約により、サウンドトラックのリードシングル「Girl’s Best Friend」の発売後2週間はMVへの出演が禁止されたため、彼のバースはアニメーションで表現されることになりました。
JAY-Z – Girl’s Best Friend (1999)
この機会に元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
関連記事はこちら
コメント