ロサンゼルスのサウスセントラルで結成したラップグループThe Pharcyde (ザ・ファーサイド)は、1992年にデビューアルバム「Bizarre Ride II the Pharcyde」をリリース。
当時の西海岸ヒップホップシーンはギャングスタラップが主流の中、この作品は西海岸に新しいオルタナティブラップシーンを確立し、Hieroglyphics、The Coup、Jurassic 5といったアーティストの先駆け的な存在となりました。
そんな彼らが、1995年にリリースしたセカンドアルバム「Labcabincalifornia」は、R&B/Hip Hopチャート17位を記録。
今回は、このアルバムからリードシングルで名プロデューサーJ Dillaが手掛けた「Runnin’」をピックアップ。
この曲はEminem主演の映画「8 Mile」のサントラにも収録され、The Pharcydeのベストアルバム「Cydeways: The Best of The Pharcyde」(2001)にも収められるなど、彼らの代表曲の1つになりました。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
The Pharcyde – Runnin’ (1995)
楽曲情報
The Pharcyde (ザ・ファーサイド)
結成 :1989年
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Delicious Vinyl
Capitol Records
プロデューサー
J Dilla
元ネタ・サンプリング
Stan Getz & Luiz Bonfá – Saudade Vem Correndo (1963)
“Runnin'” 元ネタ・サンプリング
Stan Getz & Luiz Bonfá – Saudade Vem Correndo (1963)
元ネタになったのは、ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のジャズサックス奏者Stan Getz (スタン・ゲッツ)の「Saudade Vem Correndo」(1963)です。
彼は1962年にボサノバアルバム「Jazz Samba」をリリースし、ボサノバをアメリカの音楽シーンに広め、収録曲の「Desafinado」(1962)はグラミー賞「最優秀ジャズ演奏賞」を受賞。
翌年には、ブラジルのギタリストLuiz Bonfáとコラボレーションし、ボサノバアルバム「Jazz Samba Encore!」(1963)をリリース。
この曲も収録されたこのアルバムは、翌年にかけて100万枚を超えるセールスを記録しています。
またThe Pharcydeがサンプリングしたことで注目を集め、2019年にはJuice WRLDもネタ使いするなど、サンプリングソースとして知られています。
Juice WRLD – Make Believe (2019)
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