2022年に2年振りに6枚目のアルバム「I Got Issues」をリリースしたYG (ワイジー)。
このアルバムは全14曲収録されており、アルバムに先駆けてリリースされたシングル「Toxic」は、西海岸のラジオ局を中心にエアプレイされ、人気を集めています。
「Toxic」の元ネタはこちら。
今回はこのアルバムからNas (ナズ)をフィーチャーした「No Weapon」(2022)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
YG feat. Nas – No Weapon (2022)
楽曲情報
YG (ワイジー)
出身地 :カリフォルニア州コンプトン
生年月日:1990年3月9日
ジャンル:Hip Hop
Nas (ナズ)
出身地 :ニューヨーク、クイーンズ
生年月日:1973年9月14日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
4Hunnid Records
Def Jam Recordings
プロデューサー
DJ Swish
Lil Rich
18YOMAN
LEN20
Tom Levesque
元ネタ・サンプリング
Ice Cube – It Was a Good Day (1992)
“No Weapon” 元ネタ・サンプリング
Ice Cube – It Was a Good Day (1992)
元ネタになったのは、カリフォルニア州ロサンゼルス出身のラッパーIce Cube (アイス・キューブ)の「It Was a Good Day」(1992)です。
Ice Cubeにとって初の全米チャート1位を獲得した3枚目のアルバム「The Predator」(1992)に収録され「It Was a Good Day」はローリングストーン誌の「史上最高のヒップホップソング100」で36位にランクインし、彼の代表曲のひとつになっています。
彼の3枚目のアルバム「The Predator」(1992)に収録され、アルバムはIce Cubeにとって初の全米チャート1位を獲得し「It Was a Good Day」は、ローリングストーン誌の「史上最高のヒップホップソング100」で36位に選出されるなど、彼の代表曲のひとつでもあります。
また、Ice Cubeは、この曲がソロラッパーとして成功の絶頂にあった時期からインスピレーションを受けたと明かしています。
インスピレーションは当時の俺の人生だったんだ。 俺はラップゲームの頂点にいた。 1992年の夏で、ホテルの部屋にいて本当に幸福感に包まれていた。 夢にまで見たお金をすべて手に入れたんだ。いい気分だったんだ。 こう思ったのを覚えている。 暴動が起きたけど、みんな俺がそれについて何かやるってね。 それは当たり前のことだ。
この暴動は、1992年にロサンゼルスで起きた事件が発端となり、大規模な異人種間の暴動で、多数の略奪、暴行、放火が行われ、1万2千人以上の逮捕者と10億ドル以上といわれる被害が発生しました。
また、ファンは「It Was a Good Day」のリリックをヒントに、タイトルの「Good Day」が1992年1月20日に起こった可能性が高いと断定し、話題となりました。
そのファンによると、1992年1月20日は「Yo!MTV Raps」(ヒップホップTV番組)が放送されていた日で、ロサンゼルスはスモッグもなく晴れていて、ポケットベルが市販されており、レイカーズがスーパーソニックスに勝ち、Ice Cubeは撮影の約束がなかった、と主張しています。
これに対し、Ice Cubeは「これは架空の歌だ」とその日を特定できないことを明らかにしています。
これは架空の歌だ。 基本的に、素晴らしい一日とはどういうものかを俺が解釈したものだ。 何を言っているかわかるかな? だから、あれもこれもあるんだ。 その日を特定することはできないと思うんだ。
「It Was a Good Day」の元ネタはこちら。
YGの夢が叶う?
大ネタのフレーズをサンプリングしたYGの「No Weapon」(2022)は、ゲスト参加したNasとは彼のアルバム「King’s Disease II」(2021)以来のコラボとなりましたが、YGは前作から参加してもらうつもりだったようです。
Nasはずっと俺をサポートしてくれていて、いつも俺に愛を注いでくれているんだ。 「My Life 4Hunnid」(5枚目のアルバム)の曲で彼を呼ぼうとしたんだけど、直前になって彼に声をかけたんだ。 アルバムを出さなきゃならなかったから、今回入れたんだ。 でも、やっと彼と一緒に自分のことをできるようになったし、そう、大好きなんだ。 あの曲は特別なんだ。 なぜならあの曲では、本物の男だと思っているからね。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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