2011年に発表したデビューアルバム「Finally Famous」は「My Last」「Marvin & Chardonnay」「Dance (Ass)」などのヒットシングルを収めることで、鮮烈なデビューを飾ったBig Sean (ビッグ・ショーン)。
そんな彼が3枚目のアルバム「Dark Sky Paradise」(2015)をリリースし、キャリア初の全米チャート1位を獲得。
今回はこの中からリードシングルにもなった「I Don’t Fuck With You」をピックアップ。
この曲は曲名の頭文字をとって「IDFWU」とも称され、プロデューサーには2010年代に数々のヒットソングを手掛けたDJ MustardとKanye Westがバックアップし、R&B/Hip Hopチャート1位獲得。
この曲に纏わるエピソードと元ネタについて解説します。
Big Sean feat. E-40 – I Don’t Fuck With You (2014)
楽曲情報
Big Sean (ビッグ・ショーン)
出身 :ミシガン州デトロイト
生年月日:1988年3月25日
ジャンル:Hip Hop
E-40 (イー・フォーティー)
出身地 :カリフォルニア州ヴァレーホ
生年月日:1967年11月15日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Universal Music Group
G.O.O.D. Music
Def Jam Recordings
プロデューサー
Mustard
Kanye West
Mike Free
KeY Wane
DJ Dahi
元ネタ・サンプリング
D.J. Rogers – Say You Love Me, One More Time (1976)
元ネタ・サンプリング
D.J. Rogers – Say You Love Me, One More Time (1976)
元ネタとなったのはカリフォルニア州ロサンゼルス出身のシンガーD. J. Rogersの「Say You Love Me, One More Time」(1976)です。
この曲は彼の3枚目のアルバム「On the Road Again」(1976)に収録。
R&BグループBlackstreetが1996年に発表した「Let’s Stay in Love」でもサンプリングしています。
Blackstreet – Let’s Stay in Love (1996)
I Don’t Fuck With You
この曲のリリース前に女優のNaya Riveraと交際していたBig Seanでしたが、彼らは2014年に破局。
その後にこの曲を発表し、曲中では女性を罵るリリックが目立ったことで彼女について曲を書いたと憶測が飛び交っていました。
しかしそんなNaya Riveraが2020年に水難事故によって33歳の若さでこの世を去り、元パートナーであったBig Seanは、後のインタビューでこの曲を作らなければよかったと明かしています。
"彼女に敬意を払いたいから、そのことを話すのは気が進まないんだ。 彼女は人々に大きな影響を与え、人生やキャリアの中で多くの素晴らしいことをしてきたので、あの(曲)が彼女と関連していることに傷ついたんだ。 彼女をディスったわけではないよ。 俺たち公に別れを経験したけど、俺たちは若かったし、お互いに許し合ったからそこから前進できたよ。
関係を絶った時の当時の思いを勢いで書き下ろすも、リリースしたことに後悔している様子が伺えます。
終わりに
楽曲の裏側では意外な思いが秘められるも、元カノの急死によってBig Seanが思いを残す形となりました。
しかし皮肉にもクラブヒットとなることで、彼の代表曲であることは間違いありませんね。
この機会に改めて元ネタと併せて聞いてみてはいかがでしょうか。
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