Dr. Dre (ドクター・ドレー)は、1990年代に西海岸ヒップホップの発展に大きく貢献し、その後もシーンを牽引してきました。
グラミー賞では「プロデューサーオブザイヤー」を含む6部門を受賞し、音楽メディア誌ローリング・ストーンの「史上最も偉大な100人のアーティスト」リストでは56位に選ばれ、音楽史に名を刻む活躍をしてきました。
そんな彼が、2021年に人気TVゲーム「グランド・セフト・オート」シリーズの「GTA Online: The Contract」に新曲6曲を限定公開。
また2022年2月にサプライズでEP「Grand Theft Auto Online: The Contract」として正式にストリーミングプラットフォームに公開されました。
EPは全6曲とコンパクトなものの、Eminem、Snoop Dogg、Nipesey Hussle、Busta Rhymesがゲスト参加した豪華な作品に仕上がっています。
今回はこのEPからRick Ross (リック・ロス)、Anderson .Paak (アンダーソン・パーク)を迎えた「The Scenic Route」(2021)をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Dr. Dre, Rick Ross & Anderson .Paak – The Scenic Route (2021)
楽曲情報
Dr. Dre (ドクター・ドレー)
出身地 :カリフォルニア州コンプトン
生年月日:1965年2月18日
ジャンル:Hip Hop
所属 :N.W.A.
Rick Ross (リック・ロス)
出身地 :フロリダ州マイアミ
生年月日:1976年1月28日
ジャンル:Hip Hop
Anderson .Paak (アンダーソン・パーク)
出身地 :カリフォルニア州オックスナード
生年月日:1986年2月8日
ジャンル:Hip Hop, R&B
レーベル
Aftermath
Interscope Records
プロデューサー
Dr. Dre
Phonix Beats
元ネタ・サンプリング
Bobby Boyd Congress – In a Toy Garden (1971)
“The Scenic Route” 元ネタ・サンプリング
Bobby Boyd Congress – In a Toy Garden (1971)
元ネタになったのは、ニューヨーク、ロングアイランドで結成したファンクバンドBobby Boyd Congressの「In a Toy Garden」(1971)です。
彼らはアメリカのファンクシーンが飽和状態で生き残れないと判断し、1971年にフランスに移住。
パリに移ってからは現地の音楽シーンに影響され、ロックやアフリカンな要素を取り入れた作品を制作していましたが、メンバーのBobby Boydが脱退。
1972年にIce名義でアルバムを発表した後、Lafayette Afro Rock Bandに改名し、アルバム「Soul Makossa」(1973)をリリース。
収録曲の「Hihache」のドラムループは、後にLL Cool JやBiz Markieなど250曲以上にサンプリングされ、現在の音楽シーンに大きく影響を与えた1曲です。
Lafayette Afro Rock Band – Hihache (1973)
Biz Markie feat. T.J. Swan – Nobody Beats the Biz (1987)
LL Cool J – Jingling Baby (1989)
終わりに
今作で共演したDr. DreとAnderson .Paakが自身のキャラクターとしてゲーム内に登場したことでも、話題となりました。
またIce Cubeや2Pac、Snoop Doggなどのラッパーを手掛けたDJ Poohもゲーム内に登場し、若者だけでなく幅広い年代にもウケそう内容になっています。
ぜひ、ゲームの中で出会ってみたいものですね。
コメント