Ravyn Lenae「Love Me Not」―10年越しの楽曲がTikTok発バイラルヒットに

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シカゴ出身のシンガーソングライターRavyn Lenae (レイヴン・レネー)が2024年5月3日に発表したシングル「Love Me Not」。

リリース当初は大きな話題にはならなかったが、運命の転機は数か月後に訪れる。
2024年10月、DJ thatsodeがSolangeの「Losing You」と組み合わせたマッシュアップ音源をTikTokに投稿。それが瞬く間に拡散され、この曲を使った投稿は数十万件に達した。

SNS発のムーブメントは現実のチャートにも波及し、2025年7月には全米シングルチャートで最高6位を記録。
オーストラリア、カナダ、イギリス、ニュージーランドでも上位にランクインし、オーストラリアでは2×プラチナ認定を獲得した。特筆すべきは、ブラック女性ソロアーティストとして当時唯一トップ30入りを果たした点である。

Ravyn Lenae – Love Me Not (2024)

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10年前のデモから生まれた楽曲

「Love Me Not」の起源は10年以上前、DJ DahiとAnderson .Paakが制作していたデモトラックにさかのぼる。その骨組みを受け取ったRavyn Lenaeは、自らの感情と世界観を吹き込み、現代的でありながらレトロな響きを持つ曲へと昇華させた。

インディー/オルタナティヴな質感をベースに、R&Bやソウルロック、モータウンやグランジのニュアンスまで融合したサウンドは、特定の年代に属さないタイムレスな魅力を放つ。

Ravyn Lenaeも「聴く人によって思い浮かべる時代が違う。“50年代っぽい”と言う人もいれば、“70年代や90年代っぽい”と言う人もいる」と語り、その幅広い解釈を誇りに思っている。
彼女の理想は、OutKastの「Hey Ya!」のように時代を超えて愛され続ける楽曲であるという。

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歌詞に込められた葛藤

この曲は、R&Bを基盤にインディー・グランジやレトロ・ポップをブレンドした独自のサウンドを持つ。ビンテージ感のあるギターリフと重厚なベースラインに、ドリーミーで繊細なボーカルが重なる。

歌詞では、不確かな恋愛関係の中で揺れ動く感情が描かれる。「必要としていない、でも寂しい」という矛盾した気持ちを象徴するサビ――「Oh no, I don’t need you, but I miss you, come here」――は、多くのリスナーの心を捉えた。

さらに「He loves me, he loves me not(彼は私を愛している、愛していない)」という花占いのようなフレーズは、愛情の確かさを試す主人公の心情を映し出し、理性では離れるべきと分かっていながら感情がそれを許さない複雑さを表現している。

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バイラルヒットを経験して

この予想外の成功を、本人はこう振り返る。
「TikTokでバズる前は、『自分にはそういう瞬間は訪れないのかもしれない』とよく考えていた。動画を作っても誰にも届かないように思えて、ただ空虚に向かって発信しているだけだと感じていた。でも今回の出来事は、自分の快適な領域から踏み出す練習になった。
みんなが私や曲を見つけ、さらに私のディスコグラフィまで掘り下げてくれる様子を見て、TikTokの力を実感した。これは私だけのことではなく、誰かの人生が一晩で変わってしまうほどのアクセスのしやすさなんだと気づいた」。

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Solangeからの影響と出会いの連鎖

制作過程では、Solangeの音楽性やビジュアルアプローチからも強い影響を受けたという。自由で実験的な表現に触発され、Ravyn Lenaeは自身のスタイルにも大胆な挑戦を取り入れた。

TikTokでのバズの後には、Sabrina Carpenterから「大ファンです」というDMが届き、そこからCarpenterのツアー参加が決定。
本人はこの出来事を「まるで運命のようだった」と振り返り、音楽がもたらす偶然の出会いに感謝を示している。

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ライブパフォーマンスと今後の展望

2025年にはCoachellaに出演し、早い時間帯にもかかわらず多くの観客を集めた。BETアワードでのパフォーマンスも含め、TikTok発のヒットがリアルなライブシーンでも受け入れられていることを証明した。

現在はSabrina Carpenterの「Short n’ Sweet」北米ツアーのオープニングアクトとして参加中で、新たなファン層の開拓も進んでいる。
また、SantigoldやThe Cranberriesから刺激を受けながら、新作アルバム制作の初期段階にあるという。

「Love Me Not」は、長年温められた音楽的アイデアとRavyn Lenaeの感性が融合したタイムレスなR&Bナンバーである。
そのレトロかつ現代的な響き、SNS時代特有の拡散力、そして彼女の個性が重なり合い、世界中のリスナーを魅了し続けている。

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