Ari Lennox (アリ・レノックス)は、2009年にインターネット上に楽曲をアップロードしたことをきっかけにキャリアをスタートさせ、2013年にデビューミックステープ「Five Finger Discount」を皮切りに、自主制作で楽曲をリリース。
そこにJ. Coleが率いるレーベル “Dreamville” が目をつけて、同レーベルは初の女性アーティストと契約を交わしました。
2016年にデビューEP「Pho」を発表し、レーベルコンピレーションアルバム「Revenge of the Dreamers III」(2019)にも参加。
コンピアルバムは全米チャート1位を獲得し、グラミー賞にノミネートされるなど、高く評価される作品になりました。
そんな彼女が満をじしてデビューアルバム「Shea Butter Baby」(2019)をドロップ。
この作品は、DreamvilleのプロデューサーEliteがエグゼクティブプロデューサーを務め、アルバムの大半をDreamville内の楽曲を多く手掛けるプロデューサーによって制作されています。
レーベルの全面的なバックアップを受けたこのアルバムから、シングルカットされた「BMO」をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Ari Lennox – BMO (2019)
楽曲情報
Ari Lennox (アリ・レノックス)
出身地 :ワシントンD.C.
生年月日:1991年3月26日
ジャンル:R&B, Soul
レーベル
Interscope Records
Dreamville
プロデューサー
Omen
Elite
Ron Gilmore
元ネタ・サンプリング
Galt MacDermot – Space (1969)
“BMO” 元ネタ・サンプリング
Galt MacDermot – Space (1969)
元ネタになったのは、カナダ、モントリオール出身の作曲家Galt MacDermot (ガルト・マクダーモット)の「Space」(1969)です。
この曲は、彼のアルバム「Woman is Sweeter」(1969)に収録。
90年代にサンプリングソースとして注目を集め、その中でもBusta Rhymesの「Woo-Hah!! Got You All in Check」(1996)やSnoop Doggなどの楽曲で使用されています。
Busta Rhymes – Woo-Hah!! Got You All in Check (1996)
Snoop Dogg feat. Soopafly & Butch Cassidy – Loosen’ Control (2000)
終わりに
今作の「BMO」は「Break me off」の略で、時代を彩った女性アーティストから影響受けたとAri Lennoxは明かしています。
「Break Me Off」を書くきっかけは、おそらく失恋だったと思うわ。 そして「Lady Marmalade」Patti LaBelleの言葉に触発されたと言えるでしょう。 もちろん、Missy ElliottやTotalもね。
Patti LaBelle – Lady Marmalade (1974)
また彼女は、Busta Rhymesと同ネタをサンプリングし、そのビートに満足していることを明かしています。
メインのプロデューサーはOmenで、これはOmenのビートだったんだけどね。 Rashad SmithがプロデュースしたBusta Rhymesの「Woo Ha」のオリジナル・レコードは、幼い頃からずっと私の心に響いていたの。 それをOmenがリミックスして、火のような、炎のような、ドラムのような、新しい要素を加えたのを聞いて、私はただわからないけど、すごく惹かれて、すごく嬉しかったんだ。 ただただ自然だったわ。 そこにRonが入ってきて、美しい部分を加えてくれた。 そして、ロンが入ってきて、美しい部分を追加してくれました。 それからEliteも、そのほかの要素を加えてくれたんだ。 私の人生でこんなに素晴らしいビートを聴いたことはなかったし、言葉も流れてきたし、私がずっと望んでいた、本当に実現できなかったサウンドをOmenが与えてくれたことが嬉しかったよ。
この機会に元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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