2019年、アルバム「Hot Pink」が全米チャートで初のトップ10に入り、Nicki Minajがリミックスした「Say So」が全米チャートで初の1位を獲得したDoja Cat (ドジャ・キャット)。
また、デビューアルバム「Amala」(2018)のデラックスエディションに収録されていた「Juicy」は、Tyga (タイガ)とのリミックスバージョンが「Hot Pink」のリードシングルとしてリリースされ、クラブヒットとなりました。
「Juicy」のリリースから3年後、彼女たちは再びコラボしてシングル「Freaky Deaky」(2022)をドロップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Doja Cat & Tyga – Freaky Deaky (2022)
楽曲情報
Doja Cat (ドジャ・キャット)
出身 :カリフォルニア州ロサンゼルス
生年月日:1995年10月21日
ジャンル:R&B, Hip Hop
Tyga (タイガ)
出身地 :カリフォルニア州コンプトン
生年月日:1989年11月19日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Kemosabe Records
RCA Records
Last Kings Music
EMPIRE
プロデューサー
B Ham
Ryan OG
Dr. Luke
Mike Crook
元ネタ・サンプリング
Suzanne Vega – Tom’s Diner (1987)
“Freaky Deaky” 元ネタ・サンプリング
Suzanne Vega – Tom’s Diner (1987)
元ネタになったのは、ニューヨーク出身のシンガーSuzanne Vega (スザンヌ・ヴェガ)の「Tom’s Diner」(1987)です。
この曲は、彼女のセカンドアルバム「Solitude Standing」(1987)に収録され、アルバムはUKチャート2位を記録。
またこの曲は、ドイツのKarlheinz Brandenburg博士が、現在の音楽シーンで主流となっている音源データ『MP3』を開発した際に使用されたことが明らかになり、当時について次のように明かしています。
私は『よし、この曲が私のサウンドシステム、MP3にどう影響するかをテストしてみよう』と思いました。 その結果、他のすべての音がきれいに聞こえるビットレートでも、スザンヌ・ヴェガの声はひどい音になってしまったんです。
Karlheinz Brandenburgは、この曲をテストに採用し、彼女の声の繊細さを損なわないよう、方式を改善するたびに何度も聴き直したようです。
この逸話から、Suzanne Vegaはオーディオエンジニアの間で「MP3の母」とも呼ばれているとか。
また曲のリリースから3年後に、イギリスのプロデューサーデュオDNAがリミックスを発表し、オーストリア、ドイツ、ギリシャチャートで1位を獲得。
その3年後、DNAというイギリスの若い2人組がこの曲にビートをかけたと聞いて、ゾッとしたわ。 ちょうど『Luka』(アルバム収録曲)が大ヒットしたところで、残念なことに、児童虐待という暗い題材にもかかわらず、さまざまなパロディやカバーが作られたんだけど、そのほとんどが私の嫌いなものだった。 同じようなことが繰り返されるのではと心配していたんだけど、とても安心したことに、私はDNAのやったことが大好きなの。 いくつかのダンスクラブで演奏されて終わりかと思いきや、みんなの期待を上回る出来栄えだった。 最も演奏されたR&Bの曲のひとつということで、盾までもらったよ。 フォークシンガーなのにね、面白いよね。
Suzanne Vega, DNA – Tom’s Diner (1990)
タイガ、次のアルバムについて語る
Tygaは、この曲が次作アルバムのファーストシングルだと明かし、アルバムリリースを示唆しました。
『Freaky Deaky』はアルバムのファーストシングルで80%くらいは完成している。 おそらく初夏のいつかにはドロップする予定だよ。
またDoja Catを起用したことについて『彼女は真のアーティストだ』と明かしています。
彼女の衣装、ライブ、TikTokからそれがわかると思うけど、それが彼女らしさであり、真のアーティストであるところが、俺が彼女について評価しているところなんだ。 彼女との仕事はとても簡単なんだ。 クリス(ブラウン)と一緒に仕事をするようなものだよ。 クリスとリルウェインは一緒にスタジオに入って30分で素晴らしい作品を作れるような人たちだと思うんだ。
彼女との制作はスムーズで、Chris BrownやLil Wayneを引き合いに出すほど、彼女を高く評価しているようですね。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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