2013年にリリースしたJustin Timberlake (ジャスティン・ティンバーレイク)の3枚目のアルバム「The 20/20 Experience」は、発売初週にこの年の最大のセールスとなる96万枚以上を売り上げ、全米チャート1位を獲得。
また、このアルバムは世界5カ国以上のチャートでも首位を獲得し、この年の年間アルバムチャートでも1位するなど、この年を代表する1枚となりました。
今回はこのアルバムから、セカンドシングル「Mirrors」をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Justin Timberlake – Mirrors (2013)
“Mirrors” 楽曲情報
リリース日
2013年2月11日
レーベル
RCA Records
プロデューサー
J-Roc
Justin Timberlake
Timbaland
元ネタ・サンプリング
Justin Timberlake – Cry Me a River (2002)
“Mirrors” 元ネタ・サンプリング情報
Justin Timberlake – Cry Me a River (2002)
元ネタになったのは、Justin Timberlakeの「Cry Me a River」(2002)です。
この曲は、彼のソロデビューアルバム「Justified」に収録されており、アルバムは全米チャート2位を記録し、グラミー賞では4部門にノミネートされ、そのうち「最優秀ポップボーカルアルバム賞」を受賞しています。
アルバムからセカンドシングルとしてリリースされたこの曲は、全米チャート3位、世界5カ国以上のチャートでトップ10に入るヒットとなり、グラミー賞では「最優秀男性ポップボーカルパフォーマンス賞」を受賞しています。
数々のヒット曲を生み出してきたプロデューサーScott StorchとTimbalandによるこの曲は、Justin Timberlakeがかつて交際していたポップシンガーBritney Spearsにインスパイアされたとも言われています。
これは、2002年にJustin TimberlakeとBritney SpearsがTV番組「Saturday Night Live」に出演する予定だった夜、彼がBritney Spearsの部屋でメモを発見し、2人の振付師であるWade RobsonとBritney Spearsの浮気疑惑が発覚したことでした。
これを受けてBritney Spearsは仲直りをしようとしましたが、動揺したJustin Timberlakeは和解を拒み、その後リリースされた「Cry Me a River」は2人の破局をテーマに作られた曲だと多くの人が考えるました。
またこのMVでは、Justin Timberlake演じる主人公が元恋人をスパイし、新しいパートナーへの愛を示すという内容になっており、Britney SpearsはこのMVは売名行為だと主張しましたが、彼は彼女が制作のインスピレーションになったわけではないと主張。
皮肉にも、このMVは2003年のMTVビデオ・ミュージック・アワードで「最優秀男性ビデオ賞」と「最優秀ポップ・ビデオ賞」を受賞しましたが、2011年にJustin Timberlakeは彼女との破局がこのビデオに影響を与えたことを認め、Britney Spearsの印象を悪くしたことに謝罪しています。
“Mirrors” は妻のために書いた曲であることを明かす
自身の失恋ソングをサンプリングした「Mirrors」ですが、この曲では現在の妻であるJessica Bielために書いたもので、MVは彼の祖父母に捧げたものだと彼の著書「Hindsight」(2018)で明かしています。
当時、俺たちは同棲していたんだ。まだ婚約はしていなかったね。 実は、俺がプロポーズするのは何年も前だったんだ…。 MVは、俺の祖父母に捧げたものだよ。 俺は彼らから、長く続く愛について学んだんだ。 それが妻との関係だと知っているよ。 彼女は俺を変えてくれた。彼女は俺の人生を変えてくれた。 全ては「Mirrors」の中にある。 細かいことはいい。
Justin Timberlakeは続けて、この曲が自分のパートナーへのラブソングであり、自分にとっても大切な曲であることを明かしています。
「Mirrors」は、自分の片割れのような存在だと感じている誰かへのラブソングで、それをもじったものなんだ。 それは鏡を見るということではなく、ただ…人間関係で最も価値のあることのひとつは、常に変化し、個性的でありながら、一緒にいる相手との関係の反対側に目を向けることだと思うんだ。 でもどういうわけか、2人はお互いを映し出し、2人で作り上げる世界のもう半分になることができるんだ。 そこからこの曲のアイデアが生まれたんだ。 2番の歌詞の中に「君なしでは絶対に変われない」というバースがあるんだ。 そのまま受け取れば、意味不明かもしれないけど、多かれ少なかれそういうことなんだ。 「自分は変われる」ということが、一緒にいる相手には幸せなこととして映るんだよ。 だから、この曲のアイデアはそこからきているんだ。 俺にとって特別な曲であることは間違いない。 俺がアーティストとして確立してきたサウンドに最も近いと思うし、新しい方向への一歩でもある。 この曲はその両方を兼ね備えているんだ。 年月が経ったけどね......(笑)
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