Big Seanの「Beware」(2013)で共演し、初の全米チャートにランクインしたJhene Aiko (ジェネイ・アイコ)。
自身もEP「Sail Out」(2014)から「The Worst」がヒットし、Big Seanとのユニット“Twenty88” を結成するなど精力的に活動している彼女。
2020年には3枚目のアルバム「Chilombo」を発表し、評論家からも高い評価を得ました。
今回はこのアルバムのリリースから4ヶ月後に発表された、デラックスエディションから「Summer 2020」をピックアップ。
大ネタ使いでもあるこの曲と、アルバムを併せて解説していきます。
楽曲情報
Jhene Aiko (ジェネイ・アイコ)
出身地 :カリフォルニア州ロサンゼルス
生年月日:1988年3月16日
ジャンル:R&B
レーベル
Def Jam Recordings
プロデューサー
Jhene Aiko
The Fisticuffs
LEJKEYS
元ネタ・サンプリング
Kool & the Gang – Summer Madness (1974)
Jhene Aiko – Summer 2020 (2020)
元ネタ・サンプリング
元ネタとなったのはKool & the Gangの「Summer Madness」(1974)です。
Kool & the Gang – Summer Madness (1974)
1964年にニュージャージー州ジャージーシティで結成され、70年代、80年代を中心に大ヒットしたKool & the Gang。
彼らの5枚目のスタジオアルバム「Light of Worlds」(1974)に収録され、シングルカット。
インストゥルメンタルチューンでありながら、全米チャート35位にランクイン。
DJ Jazzy Jeff & the Fresh Princeの「Summertime」(1991)やIce Cubeの「You Know How We Do It」(1993)などで使われていることで有名ですね。
また現在までに200曲以上にサンプリングされることで、最もサンプリングされているひとつになっています。
DJ Jazzy Jeff & the Fresh Prince – Summertime」(1991)
Ice Cube – You Know How We Do It (1993)
Chilombo
2020年3月に発表されたアルバム「Chilombo」は全20曲収録され、Ty Dolla $ign、Nas、John Legend、H.E.R.などが客演で参加。
リードシングルの「P*$$Y Fairy (OTW)」はR&B/Hip Hopチャート23位にランクイン。
100万枚以上のデジタルセールスを記録するロングヒットとなり、プラチナ認定を受けています。
Jhene Aiko – P*$$Y Fairy (OTW) (2019)
またアルバムの制作において、Jhene Aikoはアルケミークリスタルボウルを使用することに強くこだわっていたとか。
これはストレスや不安を軽減するため、ヒーリングや瞑想の際に使われているものになります。(動画を参照ください)
彼女は自宅でのレコーディングで初めてこのボウルを使用し、アルバムの各曲でボウルを採用。
これによってJhene Aikoは、多くのアコースティック楽器を取り入れ、部屋の中の音をマイクで拾うようなアナログな作業を続けたようです。
彼女の持ち味が存分に引き出されたアルバムは、全米チャート2位にランクインし、グラミー賞では3部門でノミネート。
さらに7月にはアルバムがデラックスエディションとなって再リリース。
全29曲収められ、Wiz Khalifa、Chris Brown、Snoop Doggなど豪華布陣が参加しています。
Summer 2020
大ネタを使用したこの曲は、先ほどのアルバムのデラックスエディションに収録されています。
この曲は彼女の透き通る歌声が、どこか切なさを醸し出していますね。
また曲中でも心苦しいリリックが印象的です。
I can't wrap my head around what's happening
I can't get no sleep, no peace of mind
Trying to beat the heat in summer madness
Only thoughts of you can get me by
何が起きているのか頭の中が整理できない 睡眠も心の平穏も得られない 夏の暑さに負けないように頑張っているよ 君を想う気持ちだけが僕を支えてくれる
終わりに
Jhene Aikoの「Summer 2020」はいかがでしたでしょうか。
大ネタ使いでありながら、彼女のボーカル力が引き出されたR&Bに仕上がっています。
またJhene Aikoの楽曲制作に対して強いこだわりが垣間見れたことは、個人的にはさらにポイントが高いですね。
Neo Soulシンガーとしての彼女の今後の作品も非常に楽しみですね。
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