はじめに
2019年に知人に銃撃を受け、33歳という若さでこの世を去ったNipsey Hussle。
彼は自分の店の駐車場で少なくとも10回以上被弾しており、右胸、へそ近くの腹部に入り脊髄を切断、胸を貫通し肺も貫き、背中の右側、頭部などに銃撃を受けています。
他にも2名が負傷し病院に搬送されましたが、午後3時55分にNipsey Hussleの死亡が確認されています。
容疑者のEric Holderは4月2日に逮捕され、殺人の動機は容疑者の個人的な理由で行ったと明らかになっています。
これまでにNipsey Hussleと幾度もコラボレーションをしてきたSnoop Dogg (スヌープ・ドッグ)が、2020年8月15日で35歳の誕生日となる彼へのトリビュートソングをリリース。
MVでは生前のNipsey Hussleの映像も公開されると同時に、Snoop Doggの心苦しいリリックが印象的です。
元ネタと併せて解説していきます。
楽曲情報
Snoop Dogg (スヌープ・ドッグ)
出身地 :カリフォルニア州ロングビーチ
生年月日:1971年11月20日
ジャンル:Hip Hop
元ネタ・サンプリング
Dorothy Moore – Misty Blue (1975)
Snoop Dogg – Nipsey Blue (2020)
元ネタ・サンプリング
Dorothy Moore – Misty Blue (1975)
元ネタとなったのは、ミシシッピ州ジャクソン出身のブルース、ゴスペルの歌手のDorothy Mooreの「Misty Blue」です。
この曲はシカゴとワシントンDCでラジオなどでエアプレイされた後、アメリカ南部でヒット。
その後R&Bチャートで2位、全米チャート3位にランクインし、グラミー賞にノミネートされました。
そんなヒットソングとなった彼女が歌う「Misty Blue」はカバー作となっています。
これは1966年にシンガーのWilma Burgessが「Misty Blue」を発表していますが、ソングライターのBob Montgomeryは他のアーティストの為に曲を書いたと言われています。
そのため幾人のアーティストにカバーされ、カントリーミュージック、ブルースの名曲となっています。
Wilma Burgess – Misty Blue (1966)
Nipsey Blue
これまでSnoop Doggは「Upside Down」(2009)や、Nipsey Hussleの「Question #1」(2016)など数々のコラボレーション行ってきました。
Snoop Dogg feat. Nipsey Hussle & Problem – Upside Down (2009)
Nipsey Hussle feat. Snoop Dogg – Question #1 (2016)
この中から「Upside Down」はNipseyとProblemが参加することで、西海岸Hip Hopを担う次世代ラッパーをフックアップしたように思えます。
Snoop Doggが業界の発展と、若手の育成にも力を入れている様子も伺えますね。
そんな中、凶弾でこの世を去ったNipseyへの「Nipsey Blue」は、彼への思いを綴った悲しみ溢れるリリックが印象的です。
Oh, it's been such a long, long time
Looks like I'd get you off my mind
But I can't
Just the thought of you (Just the thought of you)
Turns my whole world Nipsey Blue
ああ、それはそのような長い、長い時間だった あなたのことが俺の心から離れていってしまうように見えるけど 俺はそんなことはないよ お前のことを考えるだけで 俺の心をニプシーブルーに変えてしまう
終わりに
Snoop Doggの「Nipsey Blue」はいかがでしたでしょうか。
将来を期待され、旬のラッパーの1人であっただけに彼の死去は非常に残念な気持ちになりますね。
Nipsey Hussleの命日である3月31日に合わせて、彼のこれまでの作品を聞いてみてはいかがでしょうか。
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