ガールズR&BグループDestiny’s Childで成功を収めたBeyoncé (ビヨンセ)は、2003年にソロデビューアルバム「Dangerously in Love」をリリースし、世界5ヵ国以上のチャートで首位を獲得。
このアルバムから5枚のシングルがリリースされ「Crazy in Love」「Baby Boy」は全米チャート1位を獲得し、これまでに全世界で1100万枚を売り上げ、グラミー賞で5部門を受賞するなど、ソロキャリアでの成功を掴み取りました。
今回はこのアルバムから、90年代から2000年代に数々のヒットソングを生み出したプロデューサーScott Storchが手掛けた「Naughty Girl」をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Beyoncé – Naughty Girl (2003)
楽曲情報
レーベル
Columbia Records
Music World Music
プロデューサー
Scott Storch
Beyoncé
元ネタ・サンプリング
Donna Summer – Love to Love You Baby (1975)
“Naughty Girl” 元ネタ・サンプリング情報
Donna Summer – Love to Love You Baby (1975)
元ネタになったのは、マサチューセッツ州ボストン出身のシンガーDonna Summer (ドナ・サマー)の「Love to Love You Baby」(1975)です。
この曲をリリース前のDonna Summerは、ドイツに8年間在住し、モデルやバックシンガーで活動する中、レーベルGroovy Recordsと契約を交わし、1974年にデビューアルバム「Lady of the Night」をリリース。
このアルバムからのシングル「The Hostage」はオランダのチャートで2位となる成功を収めましたが、レコードのジャケットミスにより、Donna Sommer名義で活動していた彼女は現在のDonna Summerとなります。
1975年、シングル「Love to Love You Baby」をリリースし、これを聞いたアメリカのレーベルCasablanca Recordsの社長は、彼女に感銘を受け、この曲の長さを20分程度伸ばすように提案します。
最終的には16分を超える長尺の曲となり、これに満足したレーベルは彼女と契約を結び、Donna Summerは初めて母国アメリカで楽曲流通を行えるようになりました。
リリース後、その露骨な内容からアメリカの一部のラジオ局で放送禁止となりましたが、イギリスではBBCが当初プロモーションを拒否していたにもかかわらず、全米チャートでは2位、UKシングルチャート4位を獲得するなど、世界中のオーディエンスが彼女の虜となりました。
ドナ・サマーがビヨンセについて明かす
「Naughty Girl」でサンプリングされたDonna Summerは「私が書いた曲を、誰かが使ってくれることはいつも嬉しいわ。」と明かし、Beyoncéの成功を願っているようです。
彼女が使った曲は、彼女自身の音楽に良い文脈で使われていたわ。 私が書いた曲を、誰かが使ってくれることはいつも嬉しいわ。 私は「Go Beyonce! Go Beyonce!」と言っていたわ。 私はそのために動く必要はないの。 まるで妖精がお金を持って帰ってくるようなものね。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
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