ニューヨーク、ブルックリン出身のラッパーFabolous (ファボラス)は、DJ ClueのDesert Storm Recordsと契約を結び、2001年にデビューアルバム「Ghetto Fabolous」をリリースしました。
2003年には、セカンドアルバム「Street Dreams」をリリースし、収録曲の「Can’t Let You Go」や「Into You」が全米チャートのトップ10入りを果たし、全米中から注目を浴びることとなりました。
そして、2004年には、DJ KhaledやThe Neptunesなどがプロデュースを手掛けた3枚目のアルバム「Real Talk」をリリースし、3作連続で全米アルバムチャートのトップ10入りを果たしました。
今回は、このアルバムからリリースされたリードシングルで、名プロデューサーJust Blazeが手掛けた「Breathe」について解説します。
Fabolous – Breathe (2004)
“Breathe” 楽曲情報
リリース日
2004年8月30日
レーベル
Desert Storm Records
Atlantic Records
プロデューサー
Just Blaze
元ネタ・サンプリング
Supertramp – Crime of the Century (1974)
“Breathe” 元ネタ・サンプリング情報
Supertramp – Crime of the Century (1974)
元ネタになったのは、イギリス、ロンドンで結成されたロックバンドSupertramp (スーパートランプ)の「Crime of the Century」(1974)です。
2枚のアルバムが不振に終わったSupertrampは、新メンバーを加入させ、1974年にこの曲が収録された3枚目のアルバム「Crime of the Century」をリリースしました。
このアルバムは、イギリス、カナダ、ドイツなどのチャートでトップ5入りを果たすヒットとなり、彼らの知名度を一躍高めることとなりました。
また、当時メンバーであったHodgsonは、この曲について次のように語っています。
あの曲は、他のどの曲よりも深く感動したと言ってくれる人がたくさんいたよ。 あの曲は、ソーンコムのサウスコム農場で一緒に暮らしながら、アルバムのアイデアを練ったり、食べたり、寝たり、呼吸したりしているうちに、本当に出来上がったんだ。 この曲は、最終的に形になるまで、何週間もRickと俺の間を行き来していたんだ。
ファボラスが「Breathe」の制作秘話を明かす

リリースから約20年経った「Breathe」について、Fabolousは「Breathe」という比喩的なキャッチフレーズが使われているものの、実際のサンプルにはその言葉が含まれていないことが明らかになり、焦ったことを明かしています。
いつも話すことなんだけど、この曲は「Breathe」という比喩的なキャッチフレーズで作ったんだけど、作った後にJustが「このサンプルは『Breathe』って言ってないよ」って言ってきたんだ。 俺は「えっ?!」って思ったよ。 でも、彼は「大丈夫、大丈夫。『Breathe』と言わせることができるよ」と言ったんだ。 それで、彼はどうやらそれを音的に「Breathe」と聞こえるようにしたんだ。 それが何だったかは覚えていないね。 「Freeze」や何かだったかな。 でも、「Breathe」とは言っていないと彼は伝えたけど、彼はマジックをかけてくれたんだ。 それで、俺の「Breathe」という曲が生き続けることができたんだ。
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