Andre 3000と共に、ラップデュオOutkastとしてこれまでに6枚のアルバムを発表したBig Boi。
南部のHip Hopシーンを牽引してきた彼は、2010年に念願のソロデビューを果たします。
2012年にはセカンドアルバム「Vicious Lies and Dangerous Rumors」を発表し、2017年に3作目となる「Boomiverse」をドロップ。
今回ピックアップする「Kill Jill」は、アルバム「Boomiverse」からリードシングルとして発表され、イントロから日本語がサンプリングされたことで話題を集めました。
元ネタと併せて解説していきます。
楽曲情報
Big Boi
出身地 :ジョージア州サバンナ
生年月日:1975年2月1日
ジャンル:Hip Hop
所属 :Outkast
Killer Mike
出身地 :ジョージア州アトランタ
生年月日:1975年4月20日
ジャンル:Hip Hop
Jeezy
出身地 :ジョージア州アトランタ
生年月日:1977年9月28日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Epic Records
プロデューサー
Organized Noize
Young Cali
Big Boi
元ネタ・サンプリング
Aura Qualic feat. 初音ミク – DATA 2.0 (2014)
Big Boi feat. Killer Mike & Jeezy – Kill Jill (2017)
元ネタ・サンプリング
元ネタとなったのは、日本人プロデューサーAura Qualicが手掛けた「DATA 2.0」です。
Aura Qualic feat. 初音ミク – DATA 2.0 (2014)
“初音ミク” はTVCMで起用されるほど、馴染みのあるキャラクターで未だ根強い人気を誇っています。
これは世界的にみても各国のファンが、自国の言語に翻訳しネットに投稿するほど認知されており、GoogleがCMキャラクターに抜擢したことでさらに注目を集めました。
しかし南部を代表するベテランラッパーが、大胆にイントロからサンプリングするとは思いもしませんでしたね。
Kill Jill
この曲はタイトルにあるように、2003年のタランティーノ監督の映画「キル・ビル」をもじったもので、MVでは日本を意識した作品に仕上がっています。
またサンプリングしたビートがドープな雰囲気を醸し出すことで、アンダーグラウンドな雰囲気がプンプンします。
そんな「Kill Jill」のプロデューサーにはOrganized Noize、Young Cali、Big Boi。
この中からOrganized NoizeはOutKast、Goodie Mob、Ludacrisなど南部のラッパーを中心に数多くプロデュース。
2001年にはOutKastの代表作「So Fresh, So Clean」を手掛け、収録されていたアルバムは全米チャート2位にランクイン。
音楽メディアRolling Stone誌の「史上最高の500枚のアルバム」の中では64位に選出されたこともあり、Hip Hopの歴史に名を刻む作品となりました。
OutKast – So Fresh, So Clean (2001)
Organized Noizeはキャリアも長く、90年代を代表するR&BグループTLCの「Waterfalls」をプロデュース。
全米シングルチャート1位に輝き、グラミー賞にもノミネートされるなどTLCの代表作にもなりました。
TLC – Waterfalls (1995)
数々のヒットソングを手掛けてきたOrganized Noizeは評論家からも好評で、音楽メディア誌Billboardからは “Dirty Southのパイオニア” と高い評価を得ています。
南部のHip Hop牽引してきた彼らの今後の活動も非常に気になりますね。
終わりに
Big Boiの「Kill Jill」はいかがでしたでしょうか。
彼ら3人の切れ味鋭いラップが光り、ベテランプロデューサーが手掛けたことでよりディープな1曲となりました。
元ネタと併せてこの機会に聞いてみてはいかがでしょうか。
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