Rick Ross率いるMaybach Music Groupと契約後、2011年に発表したミックステープ「Dreamchasers」は高い評価を得たMeek Mill (ミーク・ミル)。
この作品からは「Ima Boss」「House Party」など今なお愛されるクラブヒットがシングルカットされることで、一躍注目の的となりました。
翌年に続編となるミックステープ「Dreamchasers 2」をドロップ。
豪華ゲストが多数参加した今作は、リリースと同時にアクセスが集中し、サイトがクラッシュする事態に。
今回は前代未聞の事態となった「Dreamchasers 2」から「Amen」をピックアップ。
ミックステープと元ネタを併せて解説していきます。
楽曲情報
Meek Mill (ミーク・ミル)
出身地 :ペンシルベニア州フィラデルフィア
生年月日:1987年5月6日
ジャンル:Hip Hop
Drake (ドレイク)
出身 :カナダ、トロント
生年月日:1986年10月24日
ジャンル:Hip Hop, R&B
Jeremih (ジェレマイ)
出身 :イリノイ州シカゴ
生年月日:1987年7月17日
ジャンル:R&B
レーベル
Maybach Music Group
Warner Records
Primary Wave
Universal Music Publishing
Warner Chappell Music
プロデューサー
Jahlil Beats
Key Wane
元ネタ・サンプリング
The Doobie Brothers – Minute by Minute (1978)
Meek Mill feat. Drake & Jeremih – Amen (2012)
元ネタ・サンプリング
元ネタとなったのは、カリフォルニア州サンノゼで結成されたロックバンドThe Doobie Brothersの「Minute by Minute」 (1978)です。
The Doobie Brothers – Minute by Minute (1978)
彼らの8枚目のアルバム「Minute by Minute」(1978)からセカンドシングルとしてリリースされ、アルバムは全米ポップチャート1位を獲得。
さらに87週連続で全米チャートにランクインし続け、ロングヒットとなり3部門でグラミー賞を受賞しています。
またThe Doobie Brothersの最もヒットした「What A fool Believes」も収録されています。
Doobie Brothers – What A fool Believes (1978)
Dreamchasers 2
この作品は前作が好評を博した「Dreamchasers」の続編となっており、リリース後6時間で150万回、24時間で250万回のダウンロードを記録。
アクセスが集中しサイトがクラッシュする事態に見舞われましたが、歴代リリースの中で最も人気のあるミックステープとなりました。
また前作同様、ミックステープの第一人者であるDJ Dramaがホストを務め、全20曲収録。
Kendrick Lamar、Travis Scott、Fabolous、French Montana、Rick Rossなど無料ダウンロードの作品とは思えないほど豪華キャストが参加。
前作でクラブヒットとなった「House Party」は、今作ではFabolous,、Wale、Mac Millerが参加した豪華Remixも収録されています。
Meek Mill feat. Fabolous, Wale & Mac Miller – House Party Remix (2012)
ミックステープは音楽メディアComplex誌の「2012年ベストアルバム」に14位に選出され、同じくMTVの「2012年ベストアルバム」から19位に選ばれています。
Amen
この曲は同年にMeek Millのデビューアルバム「Dreams and Nightmares」にも収録され、リードシングルとしてリリースされました。
シングルはR&B/Hip Hopチャート5位にランクインし、MVではJuelz Santana、Travis Porter、Waka Flocka Flame、French Montana、J. Cole、Jermaine Dupri、Fat Joe、Wale、Mack Maineがカメオ出演しています。
余談ですがミックステープではJeremih (ジェレマイ)はフィーチャリングアーティストとして正式にクレジットされていますが、シングルでは彼のボーカルが残っているものクレジットはされていません。
公にはしていませんが、契約等の関係で外されたのかもしれませんね。
プロデューサーにはJahlil BeatsとKey Wane。この中からKey Waneはこの曲の制作までのストーリーを次のように語っています。
クリスマス休暇の時に母の家の地下室でレコードを調べていたらグルーヴが出てきて、こんな雰囲気になったんだ。 ピアノの鍵盤を作って、このリフを見つけて、そこに自分の創造性を加えてドラムを加えた。 Big Seanに連絡して『スタジオに行こうぜ。俺が作ったクールなビートがあるんだ』ってね。 彼はそれを聞いて、「くそ、これはいい感じだ。それに合わせてレコーディングしよう』と言ったんだ。
元々Key WaneはBig Seanの作品を手掛けるなど、交友関係にあったようです。
その夏、ニューヨークでMeek Millが「俺はBig Seanの『Memories』の大ファンなんだ」と言っていたのを覚えているよ。 Big Seanの曲の中で一番好きな曲なんだ』と言っていたよ。 俺がプロデュースしたことを知った彼は、『連絡先を教えてくれ、俺も教えるからビートを送ってくれ』と言ってきたよ。
これは2010年にBig Seanが発表したミックステープ「Finally Famous Vol. 3: Big」に収録されている「Memories」のことを指しています。
Big Sean – Memories (2010)
Big Seanに渡したビートを再構築し、Meek Millに送ったKey Wane。
数日後に「これは俺のシングルになりそうだ」とMeek Millから連絡が入り、俺が授業に出る直前に、電話でその曲を聞かせてくれたんです。 クレイジーだったよ。それから電話で「もうすぐ発売だよ」と言われたんだ。 Jahlilは俺のキックがイメージ通りにヒットしていたので、彼は808を加えただけでそれで終わったよ。
とこれまでの経緯を語っています。
その後Key WaneはDrakeやBeyonce、Cardi Bなど全米を代表するアーティストを手掛け、ヒットメーカーとして活躍しています。
終わりに
Meek Millの「Amen」はいかがでしたでしょうか。
若手ラッパーながら、ミックステープはこれまでにないヒットをみせ、全米中を巻き込んだ作品となりました。
当時を思い返すとWiz Khalifaなどを筆頭に、ミックステープが一番盛んな時代だったのかもしれませんね。
この機会に元ネタと併せて聞いてみてはいかがでしょうか。
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