2018年に発表したデビューEP「Queen Naija」は全米R&Bチャート2位にランクインし「Medicine」や「Karma」などがヒットしたQueen Naija (クイーン・ナイジャ)。
これまではYouTuberとして活躍していた彼女が、一躍シンガーとしての才能を開花させた作品となりました。
そんなQueen Naijaが2020年に満を持してデビューアルバム「missunderstood」をドロップ。
この作品はLil Durk、Mulatto、Russ、Jacqueesなどの若手から中堅までのシンガー、ラッパーをフィーチャーしており全18曲収録。
今回はこの中から2Pac (トゥーパック)をサンプリングしたことで注目を集める「Pressure」をピックアップして、元ネタについて解説します。
Queen Naija – Pressure (2020)
楽曲情報
Queen Naija (クイーン・ナイジャ)
出身地 :ミシガン州イプシランティ
生年月日:1995年10月17日
ジャンル:R&B
レーベル
Queen Naija
Universal Music Group
プロデューサー
Boston
Pat McManus
Mike Woods
元ネタ・サンプリング
2Pac – Can U Get Away (1995)
Maze feat. Frankie Beverly – Happy Feelin’s (1977)
“Pressure” 元ネタ・サンプリング
2Pac – Can U Get Away (1995)
元ネタとなったのは1996年に25歳の若さでこの世を去ったラッパー2Pac (トゥーパック)の「Can U Get Away」(1995)です。
この曲は彼の3枚目のアルバム「Me Against the World」に収録し、アルバムは発売初週に21万以上のセールスを記録。
全米アルバムチャートでは4週に渡って1位を獲得し、多くの評論家から「2Pacの最高傑作」と言わせるほど高い評価を得ました。
そんな彼がこのアルバムについて次のように明かしています。
「Me Against the World」は、俺にとってアートということを人々に示すためのものだよ。 俺はそんな感じだと思っているんだ。俺がどんな間違いをしてもそれは無知からくるものであって、音楽や芸術を軽視しているわけではないんだ。 「Me Against the World」は、深みのある、内省的な作品だね。Bluesのレコードのようで、家庭的な内容だよ。 俺の恐怖心や眠れないことをすべて表現している。みんなは俺があまりにもうまく生きていて、うまくいっていると思っているので、それを説明したかったんだ。 それをすべて吐き出すのに1枚のアルバムをリリースする必要があったんだ。
またリードシングルの「Dear Mama」がグラミー賞「最優秀ラップソロパフォーマンス」アルバムも「最優秀ラップアルバム」にノミネートとなりました。
2Pac – Dear Mama (1995)
“Can U Get Away” 元ネタ・サンプリング
Maze feat. Frankie Beverly – Happy Feelin’s (1977)
さらに深掘りすると2Pacの「Can U Get Away」(1995)はSoulバンドMazeの「Happy Feelin’s 」(1977)をサンプリングしています。
グループのリードボーカルを務めるFrankie Beverlyがタイトルになったデビューアルバム「Maze Featuring Frankie Beverly」(1977)に収録し。
この曲の他に「While I’m Alone」や「Lady of Magic」がヒットしたことによって多くのファンを獲得し、アルバムはゴールドレコードを手にしています。
Maze & Frankie Beverly – While I’m Alone (1977)
終わりに
元ネタとなった2Pacのアルバムは、彼が普段生活する中で消化しきれない思いを詰め込むことで、多くのオーディエンスから支持を受けた作品に仕上がりました。
またそんなアルバムからサンプリングしたQueen Naijaの今作は、シンガーのErykah Baduをサンプリングするなど、90年代から2000年代の楽曲に強くインスパイアされた作品に仕上がりました。
この機会にアルバムを通して聞いてみてはいかがでしょうか。
Erykah Baduをサンプリングした楽曲のバックナンバーはこちら。
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