2019年にリリースしたChris Brown (クリス・ブラウン)の9枚目のアルバム「Indigo」は、2012年のアルバム「Fortune」以来7年振りに全米チャートで首位を獲得。
このアルバムからリードシングルで、Drakeと共演した「No Guidance」(2019)は、R&B/Hip Hopチャート2位を記録し、グラミー賞の「最優秀R&Bソング」にノミネートされました。
「No Guidance」の記事はこちら。
それから約3年の時を経て、10枚目のアルバム「Breezy」(2022)をドロップ。
このアルバムには、2022年にリリースされていたシングル「Iffy」「WE (Warm Embrace)」を含む全24曲収録しています。
今回は、シングル「First Class」で全米チャート1位を獲得したJack Harlow (ジャック・ハーロウ)をフィーチャーした「Psychic」をピックアップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Chris Brown feat. Jack Harlow – Psychic (2022)
楽曲情報
Chris Brown (クリス・ブラウン)
出身地 :バージニア州タッパハノック
生年月日:1989年5月5日
ジャンル:R&B
Jack Harlow (ジャック・ハーロウ)
出身地 :ケンタッキー州ルイビル
生年月日:1998年3月13日
ジャンル:Hip Hop
レーベル
Chris Brown Entertainment
RCA Records
プロデューサー
Albi
Preme
DeeJayM0
Nick Cassidy
元ネタ・サンプリング
Cassie – Me & U (2006)
“Psychic” 元ネタ・サンプリング
Cassie – Me & U (2006)
元ネタになったのは、コネチカット州ニューロンドン出身のシンガーCassie (キャシー)の「Me & U」(2006)です。
彼女のデビューアルバム「Cassie」(2006)に収録され、アルバムは全米チャート4位を記録し、リードシングルの「Me & U」は、全米シングルチャート3位、R&B/Hip Hopチャート1位を獲得。
またこの曲は公式MVが公開される前に、Little Xが監督した低予算のMVがYouTubeにアップされ、その中でCassieが男性のズボンを脱がすシーンが映されており、彼女は「私の中で最悪の出来事よ」と明かしています。
レーベルと契約する前から(Me & Uを)MySpaceにアップしていたんだけど、個人的には「この曲はどこに行くんだろう?」って思っていたの。 それと同時に「もっと違う自分になりたい」と思っていた時期でもあったわ。 違うことをするためには、成長する必要があると感じていたの。 Little X(MVの監督)は「トロントに来な。低予算でビデオを撮ろう」と言ってきたわ。 Ryan Leslie(プロデューサー)と一緒に行ったから、1人じゃなかったよ。 その後ビデオを見て「違う、これは私じゃない」と思ったの。 Little Xは「よし編集してやり直そう」と言ってくれた。 彼はそれを編集したんだけど、何も変わらなかった。 私は「私はこんなことできないの。申し訳ない。私じゃないんだ」って言ったの。 それから1週間後、ネットに流出したわ…ノーカットで。 すべてが生々しかった。すごく恥ずかしかった。まさかこんなことになるとは……。 多くのファンから「どうしてこんなことしたの?」って聞かれたけど 私は「正直言ってキャリアは期待してなかった」それが私のしたことなの。 終わったんだ、私の中で最悪の出来事よ。間違いなく私のミス。やらなければよかった。 他のビデオで自分を取り戻したと思ったけど、多くの人は新しいビデオより生のバージョンの方が好きなんだ。 なぜかはよくわからないけど(笑)。
クリス・ブラウンがアルバムについて明かす
アルバム「Breezy」のアートワークには、彼の後頭部のモノクロ写真が使用されていますが、これはロサンゼルス在住の理容師Rob the Originalが手掛けたもので、イタリアのアーティストで理容師のNto Hair Mugenの作品からインスパイアされたようです。
また、Chris Brownはこのアルバムのために数百曲をレコーディングしたようで、その中から最終的に24曲に絞ったこと明かしています。
俺はたくさんの曲を持っているよ。 今回のプロジェクトでは、250曲近くあったと思う。 多くの曲が同じ周波数で鳴っている。ショーのようなものだ。 始まりがあって、クライマックスがあり、そして終わりがある。 でも、少なくとも2つか3つは同じものを聴かせたいけど、全曲が同じに聞こえるようなアルバムはリリースしたくないんだ。
この機会に、元ネタと併せて聴いてみてはいかがでしょうか。
コメント