自身の本名からモチーフにしたアルバム「Tha Carter」シリーズは、2004年にリリースされ、2008年の「Tha Carter III」は発売初週に100万枚を超えるセールスを記録し、全米チャート1位を獲得したLil Wayne (リル・ウェイン)。
3年後の続編「Tha Carter IV」(2011)も全米チャート1位を獲得しましたが、所属レーベルであるCash Money Recordsとの摩擦から長い法廷闘争を経て、レーベルを離れた後の2018年に「Tha Carter V」をリリースしています。
そんな彼が、2021年に50歳で他界したニューヨーク出身のラッパーDMXをフィーチャーしたシングル「Kant Nobody」(2023)をドロップ。
ここでは、この曲の元ネタについて解説します。
Lil Wayne feat. DMX – Kant Nobody (2023)
“Kant Nobody” 楽曲情報
リリース日
2023年2月22日
レーベル
Young Money
Republic Records
プロデューサー
Swizz Beatz
Avenue Beatz
元ネタ・サンプリング
DMX feat. The Lox & Mase – Niggaz Done Started Something (1998)
“Kant Nobody” 元ネタ・サンプリング情報
DMX feat. The Lox & Mase – Niggaz Done Started Something (1998)
元ネタになったのは、ニューヨーク、ヨンカーズ出身のラッパーDMXの「Niggaz Done Started Something」(1998)です。
この曲は、彼のデビューアルバム「It’s Dark and Hell Is Hot」(1998)に収録されており、アルバムは発売初週に25万枚以上を売り上げ、全米チャート1位を獲得。
この年の年間R&B/Hip Hopアルバムチャートでは2位を獲得し、ニューヨークのラッパーNasが後に「あれはDMXが世界を制した年だった」と振り返るほど、彼の名を知らしめたアルバムとなりました。
また、ラッパーのDenzel Curryは「It’s Dark and Hell is Hot」が発売された時まだ3歳でしたが、今ではこのアルバムをお気に入りのアルバムのひとつに挙げています。
ラップをしたい、本当にいい曲を作りたいと思ったら、このアルバムを聴かなければならないよ。 リリカルなものからメロディックなもの、犯罪的なもの、ヒット曲まで、彼はすべてを持っていた。 そして、それはすべてリアルで、彼そのものだった。 彼は曲に人生を捧げたんだ。
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「Tha Carter」シリーズ最新作について明かす
故DMXをサンプリングした「Kant Nobody」は、Lil Wayneの2023年最初のシングルで、彼はこの曲について次のように明かしています。
この曲は俺のブラザーのSwizzが作ったんだ。 俺たちは何十億の最高の曲を持っていて、その中から好きなものを選んで発表しているんだ…
また、冒頭で触れた「Tha Carter」シリーズは、最初のリリースから20年を迎えようとしていますが、2022年にトロントで行われたフェスでDrakeとNicki MinajとYoung Moneyの再結成のパフォーマンスを行った際、「Tha Carter」シリーズの第6弾が制作中であることを発表しています。
「Tha Carter VIに取り組んでいる、もうすぐだ!」と彼は観客に語り、ステージ上のスクリーンに「Tha Carter VI」と書かれた巨大な映像が現れ、ステージを後にしています。
その後のインタビューでは「みんなもう知ってる…君も知ってるよね…それがCarter VIだ」と、本格的にアルバム制作に取り組んでいることを明かしました。
想像すらしていなかった。 何年か前までは、そんなことは考えもしなかった。 今、Carter VIをやっているなんて信じられないよ。 ファンは、俺が全力を尽くしていることを知っている。 俺の最後のフィーチャリングを聴いて、それよりも何千倍も良い作品になることを分かってくれ。
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